
この世に楽しみは多い。
とくに戦後、社会が豊かになり、
衣食住の心配がほぼなくなった日本には、
たくさんの娯楽・暇つぶしが発達してきました。
今回は単純な娯楽・暇つぶしとは違った観点から、
2500年前の孔子が語っている、
【人生に有益な楽しみ 3つ】をご紹介します。
「何をやっても楽しくない」
「楽しいことがみつからない」という方には、
真の意味での【人生を豊かにしてくれる楽しみ】を、
考えるヒントになるでしょう。
①音楽に親しみ、きちんとした生活を送る
「毎日、夜ふかしをせず、朝は決めた時間に起きる」
「暴飲暴食をしない」など、
どんな些細なことでもよいので、
規則正しい生活を送ることを心掛けます。
「自分はしっかり生きている」という自覚が大切で、
それがやがて小さな自信になり、
その積み重ねが【ブレない自分をつくる軸】になります。
また音楽に親しみ、感性や情緒を磨くことで、
心の感覚を研ぎ澄ましておくこと。
スマホやテレビにばかり向き合っている生活では、
感情を置きざりにした無機質な感覚に陥りがちです。
②人の良いところを褒める
人は誰しも、他人の悪いところは簡単に見つけられるのに、
良いところを見つけるのは難しいもの。
でも、人の悪口ばかり言っていれば、
その人の周りから、人は離れていきます。
反対に人が集まるのは、人の長所を認め、
伸ばしてあげられる人の周りです。
一人でできる楽しみも多い社会ですが、
やはり人に囲まれ、存在を認められてこそ、
人生の豊かさは感じられるもの。
③素晴らしい友人に感謝する
これは逆説的な話ですが、
楽しみを追い求めれば追い求めるほど、
楽しみは去っていくものです。
どんなに美味しいものでも、
毎日食べれば飽きてしまいます。
そんな目に見える贅沢よりも、たとえば、
困ったときに手を差し伸べてくれた友人、
ただうなずいて話を聞いてくれた友人など、
あなたが今持っている大切な存在に目を向けることです。
人の欲望に限りはありません。
無いものを追い求めるよりも、
自分が持っているものに気づき、
感謝できる力を高めることが、
幸せに生きることにつながります。
「益者三楽(えきしゃさんらく)。
礼楽(れいがく)を接せんことを楽しみ、
人の善をいうことを楽しみ、
賢友多きを楽しむは益なり」【論語 季氏篇】
(意訳)「人生に有益な楽しみ3つ。
礼にのっとった行いをし、
調和のとれた音楽に親しむこと。
人の美点を褒めること。
素晴らしい友人を多く持つこと」